大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和40年(ワ)108号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三 責任原因

(1) 被告会社

(イ) 被告会社が被告田中を従業員として使用していたことは争いない。

(ロ) 被告田中の実弟である田中敏一が社長をしている被告会社<編注、その商号は藤井寺染工株式会社>は、仕上を担当する被告田中に対し、被告会社所有の事故車<編注、原動機付自転車五八年式ヤマハ型>を通勤のため専用に貸し渡してこれを使用させていた。

(ハ) 事故当日<編注、昭和三七年四月二十七日午後八時四三分ころ>も、就業時間を終了して被告田中は事故車を運転して自宅の八尾まで一旦帰り、その後私用のため事故車を運転して藤井寺へ赴き、その帰途本件事故をひきおこした。

右事実によると、被告会社は、自己の企業活動をより効率あらしめるため、企業の人的構成員たる被告田中に事故車を貸渡していたものであり、かつ自宅まで運転して帰つた事故車を、通勤用のためにのみ使用するか、また更に私的目的のためにも用いるかは被告田中の随意であり、右の主観的使用目的の差異は第三者の目よりは区別ができず、したがつて事故当時の事故車運転行為は、客観的外形的には被告会社の事業執行に付いてなされたものといわざるをえない。

以上により被告会社は違法加害者たる被告田中の使用者としての責任を免れえない。<証拠略>(今枝孟)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!